■ 13:00–13:05 主催者あいさつ
笹川陽平(日本財団 会長)
■ 13:05–13:30 大臣講演
障害者就労支援 ~その課題と期待~
[講演] 加藤勝信(厚生労働大臣)
障害者就労の現状(一般就労60万人、福祉的就労40万人)の課題感についてご認識を伺い、今後、大臣としてどのように取り組むのかについてお話いただきます。さらに各現場(就労移行支援、就労継続支援、ジョブコーチ、就業・生活支援センター等)の支援者や雇用する企業に対して、課題感をもとにしたメッセージをいただくとともに、障害当事者自身に向けて、社会の一員として果たすべき“義務” についてエールをいただきます。
■ 13:35–14:30 基調講演
障害者就労支援に携わる人が考えるべきこと、あるべきこと
[講演] 中島隆信(慶應義塾大学商学部 教授)
経済学の視点から、支援現場、行政に忖度なく鋭く切り込んでいただきます。私たちは、その根拠にもとづく話に襟を正さずにいられません。耳の痛い話ですが、私たちを放り出さずに伝え続けてくれる先生は、この業界の宝です。刮目して一言一句逃さず、受け止めてください。
■ 14:40–15:25 行政説明
障害者就労支援の課題認識と方向性について
[説明] 津曲共和(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長)
福祉的就労、一般就労、当事者、支援者、企業の別はあれ、障害者就労支援を取り巻く最新の動向について、しっかりと理解することは必須です。本フォーラムにおいては定番プログラムともいうべき、厚生労働省障害福祉課課長からの最新動向、課題感と対策等についてのお話です。
■ 15:40–16:25 講演① 再会したあなたに伝えたいこと【その1】
働くことができないのは誰のせい? ~それはきっと私です~
[講演] 高橋陽子(ダンウェイ株式会社 代表取締役)
[紹介者] 今野雅彦(株式会社ベネッセビジネスメイト グループ雇用推進本部 特命担当部長)
うまくいかないことは、対象者に要因があるとされがちな“支援”という現場。いえ、現場だけでなく“管理” でも“運営” でも同様に、自身のせいではなく他者に原因を求めようとします。一方、同じ状況でも、成果を上げている支援現場があります。アバウトに「支援力が高い」と評されますが、そうしたところに、具体的には何が共通しているのか? それはまぎれもなく「アセスメント」があるか、ないか、です。働くことができていないのは? 可能性を引き出すことができていないのは? それはきっと自分のせいだと考えたほうが得策です。
■ 16:30–17:20 講演② 再会したあなたに伝えたいこと【その2】
時代に求められていること ~雇用・福祉施策の連携強化検討会と国連勧告から~
[講演] 倉知延章(九州産業大学人間科学部 教授)
変革を唱えても、そうそうドラスティックには変わらない、この就労支援業界。内側からの変革(雇用と福祉施策の連携強化)と外側からの圧力(福祉的、閉鎖的就労からの解放等、国連勧告)は、私たちが進化する絶好の機会です。内から外からの要請にもとづき、時代に求められていることを、お話いただきます。
■ 17:30-20:25 プレゼンテーション この3年間を無駄にしなかった者たち
選ばれし6題のプレゼンテーション
コロナ禍の3年余り、対処し、工夫を施し、しっかりと事業を進めることはもちろん、創意を発揮し、新たな挑戦、展開を始めた「3年間を無駄にしなかった者たち」の発表をお聞きください。※就労継続支援、就労移行支援、企業等の発表(計6題)を想定。審査結果によって内容は変わります。
[プレゼンター] 応募から選ばれた6組
[進行/第1部] 遠藤千冬(一般社団法人日本作業療法士協会)
[進行/第2部] 池田 徹(社会福祉法人風の村 特別常任顧問)
ピックアップ「自治体主導の取り組み」
コロナ禍の3年余り、障害者施設の受注減にともなう、障害者工賃の減少は、行政にとっても大きな課題のひとつでした。そんななか、両県は手をこまねくことをせず、受注の拡大策、新たな業務の導入をはかり、成果を上げています。その取り組みはまさに「3年間を無駄にしなかった者」。自治体トップから直接お話を伺います。
[プレゼンター] 村井嘉浩(宮城県知事)
[プレゼンター] 服部誠太郎(福岡県知事)
[進行] 竹村利道(日本財団公益事業部付 シニアオフィサー)
■ 9:00-10:30 分科会A~D
※分科会A~Dは4会場で同時進行します。フォーラム参加申込時、A~Dよりご希望のプログラムをご登録ください
【A】 企画:日本職業リハビリテーション学会
就労支援におけるアセスメントとは何か。その基本を再確認する
職業リハビリテーションに関係する労働政策審議会の障害者雇用分科会において障害者雇用促進法改正に向けた意見書、社会保障審議会障害者部会において障害者総合支援法改正に向けた報告書がこのほどまとめられました。「就労選択支援」(仮称)の創設が示され、アセスメントの機能強化について、それぞれの会議体で議論されており、就労支援の実践現場でもあらためてアセスメントに関する関心が高まっています。本プログラムでは就労支援におけるアセスメントの基本的視点を確認したうえで、さまざまな実践現場におけるアセスメントのあり方を検討します。
[パネリスト] 小川 浩(大妻女子大学人間関係学部 教授)
[パネリスト] 前原和明(秋田大学教育文化学部 准教授)
[パネリスト] 野﨑智仁(国際医療福祉大学保健医療学部 講師/NPO法人那須フロンティア 理事)
[司会・パネリスト] 相澤欽一(全国障害者雇用事業所協会仙台相談センター 障害者雇用相談員)
【B】 企画:きょうされん
障害の重い人の働くを支える実践と障害者権利条約
障害者権利条約第27条では、働くことについて障害のある人が障害のない人と同等の権利をもっていることがはっきりとのべられています。その一方で、障害のある人だけのための働く場(福祉的就労)は条約とは相容れないと国連の障害者権利委員会は述べています。すべての障害のある人の働くをかなえるためには、障害の重い人の働くことの具現化は不可欠です。その取り組みとして、重度重複障害のある方の支援現場の報告をし、その価値を共有する場とします。
[パネリスト] 藤田紀子(社会福祉法人さくらんぼの会 生活介護すまいるたいむ サービス管理責任者)
[パネリスト] 赤松英知(きょうされん 常務理事/就労支援部会長)
[司会] 北川雄史(社会福祉法人いぶき福祉会 専務理事)
【C】 企画:全国ジョブコーチ連絡協議会
就労支援人材の養成と確保を『ジョブコーチ』Keywordから考える
~理念や制度と現場の実態像とのはざまで国の描くロードマップはどうあるべきなのか~
本年度に入り「職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」が動き出し、国からはジョブコーチというキーワードで就労支援人材の養成と確保について、また将来的な指標の1つとして国家資格化ということも含めたロードマップも示されました。私たちは、ジョブコーチの制度とこの人材の養成や確保の問題も同時に考えていく必要があります。本企画では、このテーマに焦点化し、国が示すロードマップ等と対峙し、民間として考えるあるべきロードマップを模索し提言したいと考えます。
[パネリスト] 辻内理章(社会福祉法人ロザリオの聖母会 障がい者の就労促進事業所 みんなの家 所長)
[パネリスト] 髙谷さふみ(社会福祉法人釧路のぞみ協会 理事/自立センター 所長)
[パネリスト] 景山多美(株式会社東海化成 常務取締役)
[司会・進行] 若尾勝己(NPO法人全国ジョブコーチ連絡協議会 理事長)
[司会・進行] 鈴木 修(NPO法人くらしえん・しごとえん 代表理事/訪問型職場適応援助者)
【D】 企画:全国就業支援ネットワーク
障害者就業・生活支援センターのあり方を考える ~就労定着連携モデル事業から~
障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会において、今後の障害者就業・生活支援センターに新たに「基幹型」という役割が提示されました。全国338か所の障害者就業・生活支援センターは、圏域の人口や社会資源の数によりその役割が異なるため、「基幹型」をどのようにとらえるかが今後の課題になります。本フォーラムでは、全国就業支援ネットワークが実施する「就労定着連携モデル事業」の途中経過から、地域性を鑑みた「基幹型」について考えてみます。
[助言者] 朝日雅也(埼玉県立大学保健医療福祉学部社会福祉子ども学科 教授)
[報告者] 佐野和明(障害者就業・生活支援センター わーくわく 支援ワーカー/徳島県)
[報告者] 夏目芳行(NPO法人静岡福祉総合支援の会 空と大地と 障害者就業・生活支援センター ぼらんち センター長/静岡県)
[報告者] 酒井京子(NPO法人全国就業支援ネットワーク 理事)
[進行] 藤尾健二(NPO法人全国就業支援ネットワーク 代表理事)
■ 11:00-12:30 分科会E~H
※分科会E~Hは4会場で同時進行します。フォーラム参加申込時、E~Hよりご希望のプログラムをご登録ください
【E】 企画:日本作業療法士協会
アセスメント力を磨く! ~見えない障害を見える化する理念とテクニック~
精神、高次脳、発達といった障害は、ひとり一人の強みや弱さを見え難くさせ、障害のあるご本人やかかわる人間双方にとって困惑を感じさせる。アセスメントはその解決の一助を担う、支援者にとって必要不可欠な技能である。そこで、それぞれの障害に合わせた具体的なアセスメント方法や読み解き方などをレクチャーし、「見えにくさ→見える」に変えていくプロセスについて実践家よりお話しいただく。今、アセスメントにもがいている支援者のチャレンジを後押しする企画として展開する。
[パネリスト] 建木 健(NPO法人えんしゅう生活支援net 理事長)
[パネリスト] 千田若菜(医療法人社団ながやまメンタルクリニック 就労支援担当/臨床心理士)
[パネリスト] 加藤公一(内閣官房 内閣総務官室 併任 内閣人事局 内閣総務官室 上席障害者雇用専門支援員 併任 内閣人事局 障害者雇用専門支援員)
[進行] 山口理貴(一般社団法人Bridge 代表理事)
[進行・コメンテーター] 野﨑智仁(国際医療福祉大学保健医療学部 講師/NPO法人那須フロンティア 理事)
【F】 企画:就労継続支援A型事業所全国協議会
一般雇用(特例子会社)とA型事業所の連携強化について(みなし雇用の可能性を探る)
厚労省の「雇用と福祉の連携強化」の中で、一般雇用と福祉的就労の併用が提案されている。特例子会社(一般雇用)の現場では精神的不調などのため一時的な避難先として、または高齢化のため緩やかな環境での継続雇用を必要としている。A型からの一般就労への移行機会の創出とあわせて、A型との連携が考えられる。一方、A型事業所にとって施設外就労は良質な仕事の確保の有効な手段である。しかし企業にとって人手不足対策以外、促進理由がない。そこで、労働者として処遇されるA型利用者の施設外就労にかぎっては、一般就労の促進を条件に施設外就労先企業への雇用率上のインセンティブが考えられる。以上、真の「雇用と福祉の連携強化」を提案したい。
[パネリスト] 山田太郎(参議院議員)
[パネリスト] 有村秀一(一般社団法人障害者雇用企業支援協会 理事/トヨタループス株式会社 代表取締役社長)
[パネリスト] 長谷川珠子(福島大学行政政策学類 准教授)
[進行] 久保寺一男(社会福祉法人進和学園 統括施設長/NPO法人就労継続支援A型事業所全国協議会 理事長)
【G】 企画:全国就労移行支援事業所連絡協議会
就労移行支援×就労定着支援のロールモデルとは ~全国の挑戦から~
就労移行支援事業所では、事業所から就職を果たした障害のある人たちに対し、定着支援事業を含めて働き続けるための継続的な支援を提供しています。このコンテクストフォーラムでは、就労移行支援事業所が行う定着支援の具体的支援の手法について、札幌・新潟・熊本で取り組まれている事例を報告し、その後のシンポジウムでは、長く働き続けるための定着支援のポイントや、定着支援事業終了後の支援のあり方などについても議論します。
[パネリスト] 要 淳朗(NPO法人アシスト 多機能型事業所あずあいむ 就労定着支援員)
[パネリスト] 落合清美(就労センター白山浦 次長/就労移行支援事業サービス管理責任者)
[パネリスト] 杉本幸則(社会福祉法人東康会 就労移行支援センター らぽーる宇城 事業部長)
[進行] 酒井大介(NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会 会長/社会福祉法人加島友愛会 専務理事)
【H】 企画:日本財団
医療機関からの就労へ ~精神科デイケアを中心に~
多くの精神科病院やクリニック等で実施されている「精神科デイケア」では、利用者の社会参加・復帰のためのさまざまなプログラムが提供されており、精神疾患の再発や再入院の予防、居場所の形成、復職支援等の効果が期待されています。多くの場合、精神障害者の就労支援は、障害者施設で行われます。今回は「精神科デイケア」での就労支援の実施を念頭に、医療機関を主体とした治療と就労支援の一体的運用の可能性について議論します。
[パネリスト] 林 輝男(社会医療法人清和会 理事長)
[パネリスト] 大石裕一郎(医療法人博友会 就労支援センター アステップむろまち 所長)
[パネリスト] 渡邉真里子(ちはやACTクリニック 院長)
[コメンテーター] 原 敬造(日本デイケア学会 理事長)
[進行] 村上智則(日本財団公益事業部国内事業開発チーム リーダー)
[協力] NPO法人全国精神保健職親会
■ 13:30–14:30 パネルディスカッション①
始動! WORK! DIVERSITY ~横断的就労支援の時代がやってきた~
障害者就労支援事業所は、全国に張り巡らされた有効な能力開発機関です。当然ですが、障害者以外は利用できません。その当然は、少しずつ崩れようとしています。いや、崩そうと各方面に働きかけています。アセスメント力の高い「マネジメントセンター」を中核に、優良な「就労支援事業」をセットし、その地域の「生活支援事業」ともネットワーク、ケースを重ねるごとに、有機的な「地域プラットフォーム」として機能し始めることを目指し、千葉県、岐阜市、福岡県の各自治体と連携したモデル事業が開始されました。その進捗と課題、展望について議論します。
[パネリスト] 鈴木由美 (NPO法人ユニバーサル就労ネットワークちば 事務局長)
[パネリスト] 後藤千絵 (一般社団法人サステイナブルサポート 代表理事)
[パネリスト] 中村信二 (福岡県就労支援協同組合 理事長)
[パネリスト] 柴橋正直(岐阜市長)
[助言者] 眞保智子(法政大学現代福祉学部 教授)
[進行] 竹村利道(日本財団公益事業部付 シニアオフィサー)
■ 14:30–15:00 特別講演
ソーシャルファームとダイバーシティ
[講演] 小池百合子(東京都知事)
[座長] 木村弥生(前衆議院議員)
就労支援に携わる方なら一度は聞いたことがある「ソーシャルファーム」。誰よりもこの推進に政治的指導力を発揮してきたのは、小池百合子東京都知事です。都知事就任早々、条例づくりに着手し、支援施策も取りまとめ、徐々に本物のソーシャルファームが都内に生まれつつあります。国連勧告にある「障害者の保護作業場および雇用関連福祉サービスから、民間および公的部門における開かれた労働市場への移行を加速する努力を強化し、包摂的な労働環境において、同等の価値の仕事に対して同等の報酬を与えること」は、まさに小池都知事の目指すことそのものです。私たちの進むべき大きな方向の一つであるソーシャルファームについて、目をそらさず、真正面から向き合いましょう。
■ 15:00–15:45 パネルディスカッション②
小池都知事の講演を受けて ~超ポジティブな国連勧告の受け止め~
小池都知事からのソーシャルファームに関する講演を受け、その実践者も交え、より具体的に理解するとともに、その支援施策を紹介します。まだまだ理念の浸透がはかられていない状態のソーシャルファームですが、“もどき” に陥らず、リアルであるために、何が課題で何が魅力なのか?を体感してください。
[パネリスト] 小池百合子(東京都知事)
[パネリスト] 光枝茉莉子(一般社団法人アプローズ 代表理事)
[パネリスト] 山口 元(株式会社ベネッセソシアス 代表取締役)
[進行] 竹村利道(日本財団公益事業部付 シニアオフィサー)
■ 15:50–16:00 エンディング
主催者あいさつ
尾形武寿(日本財団 理事長)
※所属は2022年12月1日時点の情報です
※プログラム、登壇者は予告なく変更される場合があります